悩み今の仕事は若いからできるけど…この会社で50代の自分を想像できない。
「本当にこのままの人生でよいのか」「家族との時間は守れるのか」30代〜40代で同じ悩みを抱える人は少なくありません。
私もその一人でした。民間企業→公務員→民間企業→公務員と二度ずつ経験し、迷いながら進んできたからこそ、その気持は痛いほどわかります。私自身、転職を繰り返す中で強く感じたのは、公務員転職は“向き・不向き”ではなく“条件が合うかどうか”で決める方が後悔しにくいということです。
そこでこの記事では、30代〜40代が公務員転職で最初に迷うポイントを整理し、今日から動き出せる7つのステップを紹介します。読み終えたとき、「次に何をすればよいか」が明確になるはずです。



この記事では、公務員に転職する判断軸と転職までの具体的な進め方を知ることができます。
【著者メモ】
・転職歴:民間 → 公務員 → 民間 → 公務員(2自治体を経験)
・年収推移:[2020年代〜2020年代]民間 約500万円 → 公務員 約500万円(地域手当15%)
・働き方の差:残業 40h/月 → 10h/月、異動は5年に1回
・家計インパクト:手取り ほぼ増減なし。固定費(住居/保険/通信)は過去に見直し済み。
※自治体・職種・等級等で差があります。
結論:迷いを減らすために「7つのステップ」で公務員転職を進めよう



公務員転職は“向き不向き”で悩むのではなく、条件が合うかどうかを確認しながら行動することが大切です。この記事では、その条件を整理するために、7つのステップに分けて整理をしました。
転職活動は考えれば考えるほど迷いが増えがちですが、行動を「7つのステップ」に分けて進めれば、ひとつずつ整理しながら公務員転職を進められるようになります。
その中でも特に大切なのが「条件合致」です。
すべての条件を満たそうとするのではなく、「自分にとっての合格点」を決めることが、公務員転職を成功に導くポイントです。
【条件合致の参考例】
家族時間を最優先
→月残業の上限を「20h」と仮置きし、これを満たす可能性があるなら合格。
収入の安定を最優先
→「将来の年収が◯◯◯万円に到達」する可能性があるなら合格。
やりがいを最優先
→自治体の重点施策(例:子育て/防災/観光)にこれまでの経験を活かすことができたら合格。
(ポイント:完璧ではなく“合格点”を決める。ここがブレなければ迷いが減ります。)
公務員へ転職すべきかを決める:7つの意思決定ステップ



「公務員に転職したいけど、何から始めればいいのかわからない」そんな迷いを抱えている方は多いです。ですが、転職準備を7つのステップに分けて進めれば、ひとつずつ整理しながら確実に行動できるようになります。
Step1|公務員転職の前に今の状況を“見える化”する
まずは今の仕事や生活を数値で整理しましょう。ざっくりで良いので書き出してください。
月収:[ ]円
残業:[ ]h
通勤:[ ]分
家族事情:[来春入園/介護/単身赴任の可能性 など]



現状を把握することで「今の生活で何を変えたいのか」が明確になります。
Step2|公務員転職で最優先の判断基準を1つ決める
「働き方」「お金」「仕事内容」の3つから、どれを最優先にするか を決めましょう。
働き方: [ ]点
お金: [ ]点
仕事内容:[ ]点
最優先:[ ](理由:[ ])



最優先が決まれば、迷いが一気に減ります。
Step3|公務員転職で受験する自治体を1つに絞る
いきなり複数を比べるより、まずは 受けたい自治体を1つ 選んで調べましょう。
- 要件の確認(年齢、学歴など)
- 試験内容の確認(学科、面接のみなど)
- 地域手当や勤務地(年収や通勤時間の確認など)



面接の際に強い動機付けもできるので、生まれ育った市区町村など、興味を持てる自治体から探していくのがおすすめです。
Step4|公務員試験の学習は“曜日固定”で進める
社会人の転職組は時間が限られています。
そのため「曜日×科目」で学習を固定すると続けやすいです。
週の学習枠:平日20分×3/土曜40分(合計1h40m)
曜日割:月=数的/水=文章/金=時事/土=過去問+復習など
ミニ模試:3週に1回(復習だけでOK)
独学だと勉強が続かないという方や効率的に勉強をした方は、通信講座により強制的に勉強する仕組みを作るのがおすすめです!まずは無料体験や資料請求で自分に合う方法か試すことができます。
- タイプA:短尺動画×スマホ学習(通勤・家事の合間向き)
→ (おすすめのサービスを紹介予定) - タイプB:網羅テキスト+添削(まとまった学習向き)
→ (おすすめのサービスを紹介予定)



自分に合う勉強スタイルを見つけると勉強が進みます。
Step5|志望動機は「課題→経験」でシンプルに書く
志望動機は「課題→自分の経験」の順に1行でまとめます。
A)[自治体名]の「[課題]」に、民間企業で培った[経験/実績]をそのまま活かしたい。
B)[自治体名]の「[課題]」を、私の[強み(例:情報発信/業務整理/対人調整)]で前に進めます。
C)[自治体名]の「[課題]」に対し、まず[具体的な最初の一手]から着手します。



KPIなどを考える人もいるかと思いますが、公務員はビジネス用語に疎いです。そのため、難しく考えずにシンプルに伝えるのが良いです。
Step6|公務員転職の面接は“結論→体験談”で3分にまとめる
面接では、長い説明よりも結論ファーストが効果的なことが多いです。
まず「何を達成したか」「どんな学びを得たか」を一言で伝え、そのあとに背景や行動を補足しましょう。
- まずは結論から伝える
- どんな状況だったか
- どんな課題が合ったか
- 自分がどう動いたか
- 結果どうなったか
【参考例】
「私の強みは『業務改善力』です。前職では、月に約1,000件処理していた申請業務を見直し、マニュアル化とフロー改善を行いました。その結果、1件あたり30分かかっていた作業が15分に短縮され、年間で約3,000時間の削減につながりました。公務員の業務でも、限られた人員で効率を上げることが求められると考えており、この改善力を活かして組織に貢献したいと思います。」



正直、面接で想定外の質問を受けて「頭が真っ白」になったことがありました。
でもそのときに大切だったのは、取り繕うことではなく嘘をつかず、素直に自分の経験から答えることです。
面接官が見ているのは「完璧な答え」ではなく、この人を採用して一緒に働いても安心できるかどうかです。
だからこそ、誠実さや普段の姿勢が伝わる答え方の方が信頼につながります。
そして、あらかじめ「3分で話せる体験談」を準備しておけば、多少焦っても答えの軸がブレずに安心して対応できます。
Step7|公務員転職後の家計を初月からシミュレーションする
入庁後の生活ギャップを減らすために「初月の家計」をシミュレーションしておきましょう。
【家計 初月チェック】
月収: [ ]円
通勤費: [ ]円
初期費用:[ ]円(スーツ、引越しなど)



ここまで調べる必要ってあるの?



公務員に転職することで「収入が大幅に減る人」や「引越などでまとまったお金が必要な人」以外は、そこまで神経質になる必要はありません。
ただし、念のため初月の家計が赤字にならないかを一度シミュレーションしておくと安心ですね。
民間企業と公務員の違いを知っておこう



公務員に転職する気持ちにはなったけど…「年収は本当に安定しているの?」「残業ってどのくらいあるの?」実際公務員は民間企業とどう違うの?



大手企業に近いと言われることがありますが、給与の金額は誰でも確認できるなど民間企業と違う点はたくさんあります。
評価制度の違い
- 公務員は民間と違い、売上や利益などの成果による評価ではありません。
- 等級×号給の段階昇給が基本で、成果による大きな上下はほぼありません。
- そのため「頑張って一気に昇給!」という仕組みではなく、安定した昇給が続く仕組みです。
年収の違い(短期 vs 生涯)
- 公務員の給与は大きく上下しにくいため、30代で年収1,000万円を目指すのはかなり難しいのが実情です。
- ただし「地域手当」「賞与」「退職金(おおよそ2,000万円前後〜)」を含めた生涯年収で見ると評価が変わる可能性があります。
- 私自身も、1度目の公務員に転職した際には、月収が民間企業で働いていた時代より数万円下がりました。ですが、賞与と退職金を含めるとトータルではやや上回る水準でした。
働き方の違い(残業・異動)
- 残業:部署や時期によって波がありますが、民間企業で働いていた時代と比べて全体的に抑えられています。私の場合、月0時間〜20時間程度でした。以前、同期に残業時間を聞いたところ、月20時間程度との回答が多数派でした。
- 異動:数年ごとに部署異動があり、仕事内容が大きく変わります。大変さもありますが、逆にリセット効果で気持ちを切り替えられるメリットもあります。
- 家族のライフイベント(子育てなど)との相性を先に考えておくと、入庁後の満足度は上がりやすいです。
実体験から:転職で何が変わったか(Before/After)
毎日子どもの笑顔を見ながら夕食を食べられるようになり、「もう一度公務員に転職した選択は正しかった」と実感しています。



民間経験者は、公務員に転職してもすぐに馴染めるケースが多く、特に接客経験は「住民対応」にそのまま活かせるため、大きな強みになります。
よくある誤解はここで解いておく
「年収は絶対下がるの?」
今の年収により下がる場合はあります。ただし、地域手当・賞与・退職金をしっかり計算して正確に判断することが重要です。
「民間企業の経験は評価されない?」
いいえ、そんなことはありません。部署の課題に直結する経験はむしろ強い武器になります。特に民間企業出身者は「数字や成果に対する意識」が身についているため、公務員組織では重宝されるケースが多いです。
また、公務員は等級・号給の仕組みで給与が決まりますが、職歴(勤続年数)がそのまま年収に反映される仕組みがあります。そのため、同じ年齢であれば転職者と新卒からの公務員が、ほぼ同じ給与水準になることも珍しくありません。
「異動は避けられない?」
はいそのとおりです。希望は出せますが原則は組織都合です。だからこそ、どの部署でも活きる汎用スキル(対人調整、業務整理、数値管理)を、面接で具体例として提示しておくとミスマッチが減ると思います。



えっ…特に2番目の新卒からの公務員と年収が同じって驚愕だよ。転職者はメリット大きいね。



私も驚きましたが、職歴が年収に反映されるのでほぼ同じ給与水準になります。ただし、退職金は自治体としての勤続年数が影響するので差はありますよ。
まとめ:今日からできる一歩
この記事では、30〜40代の方が公務員転職を考えるときに迷いやすいポイントを整理し、 7つのステップ で行動につなげる方法を紹介しました。
- 公務員転職は「向き・不向き」ではなく「条件が合うかどうか」で決める
- 完璧を目指さず、自分にとっての合格点(最優先の1軸)を決める
- 学習・志望動機・面接準備を少しずつ分けて取り組めば、確実に進められる
今日からできる一歩
まずは 「自分にとっての最優先の軸」 を決めてみてください。
家族の時間を増やしたい
収入の安定を優先したい
やりがいを大切にしたい
この中からたったひとつ決めるだけで、迷いはぐっと減ります。
そこから志望する自治体の情報を1つ調べてみたり、学習時間をカレンダーに書き込んでみたりと、小さな行動につなげていきましょう。



今日の一歩が、後悔しない公務員転職の第一歩になります。
